こんな人におすすめ
応用物理工学コースは、物理学をより深く知ろうとする姿勢を持ち、それと同時に新たな発見と新技術の創造に意欲のある学生が学ぶ場です。応用物理の研究の対象は、原子スケールから宇宙のスケールに及び、また金属や半導体などの硬い物質から、高分子、生体、液晶などの柔らかい物質、そして規則正しい構造や常識をひっくり返す対称性を持つ構造、古典的な系から量子力学なしでは議論できない系など、その幅は研究したいと思えば際限なく広がる、そういう学問です。物理学を通して新しい世界を見たい、そして新しい世界を作っていきたいという意欲のある学生にぴったりのコースです。
フロンティア入試 Type II
応用物理工学コースでは、前期日程の個別入試(総合理系)から29名、後期日程の個別入試(応用理工系学科)から6名の学生を受け入れています。さらに、物理学に対して強い興味を持つ学生や世の常識を変える技術革新に強い意欲を持つ学生の発掘を目指して、総合型選抜フロンティア入試TypeII から総定員の約3割にあたる15名の学生を選抜しています。フロンティア入試Type IIでは、従来の総合型選抜とは違い、特別な活動実績や経験よりも、適性試験を実施し学力を重視した選抜を行います。出願時期が10月上旬で合格発表が12月上旬なので、本コースを第1志望にとお考えの方にお勧めします。詳細は応用物理工学コース・フロンティア入試Type IIのページをご覧下さい。
応用理工系学科について
応用理工系学科は応用物理工学コースの他に、応用化学コースと応用マテリアル工学コースの、合わせて3つのコースで構成されています。高校の「物理」と「化学」はずいぶん違った学問に見えるので、なぜこのようなコースが一緒になっているのか疑問に思う方もいるかもしれません。
実はいろんな化学反応や物質の振る舞いは原子レベルの物理現象を説明する量子力学に基づいています。量子力学は物理学の研究の結果生まれてきた学問で、原子レベルの「ミクロな世界」、あるいは「ナノ・メートルの世界」を知るには不可欠な学問です。化学反応や半導体の中の電子の動き、レーザー光の発生や様々な材料の性質、さらには生命現象も、元をただせばすべて量子力学に従っています。この量子力学は、応用物理工学だけでなく、化学や生命科学などの全てのサイエンスの基礎であると同時に、エレクトロニクスやナノ・テクノロジーなどの最先端科学技術に応用されているのです。
高校の物理では、力学や電磁気学などの、目に見える大きさ、すなわち「マクロな世界」を主に学習しているので、ミクロと言えば物理ではなく化学を想像する人が多いかもしれません。しかしマクロな世界の物理学は19世紀までの物理学であって、現在の物理学や応用物理工学は、量子力学を柱として、原子レベルのナノ・スケールの世界を中心に研究しているのです。
応用物理工学の役割
応用物理工学は、全てのサイエンスの基盤である物理学を工学的に応用し、社会に役立てることを目指す学問です。その成果は、実は皆さんの身近にあるコンピュータ、携帯電話、光通信、コンパクト・ディスク、液晶テレビなど、様々な製品に生かされています。
実際には、製品の中に閉じ込められているのであまり目立たないのですが、これらの製品で使われている最先端のテクノロジーは、物理学と工学とを結びつけることで生み出されてきたのです。
応用物理工学の広がり
応用物理工学が対象とする範囲は幅広く、感じる面白さも人によって様々です。教員には応用物理工学を学んだ人はもちろん、物理学科出身や電子工学出身の教員もいます。また企業に勤めた経験のある教員も少なくありません。
物理的な現象の追求に興味を持つ人からテクノロジーへの応用に興味を持つ人まで。いろんな興味を持つ人を受け入れる懐の深さが、応用物理工学の特徴の一つです。